Q:【デンマークのマイナス金利政策って?】

投稿日  2016年2月15日

いよいよ2月16日からマイナス金利政策が導入されますが、

すでに2012年7月からデンマークではマイナス金利政策が導入されているそうです。

 

マイナス金利導入後のデンマークの経済状況は、
今後の日本における住宅ローン金利と住宅価格がどのように変化していくのかを考える上で参考になるかと思います。

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マイナス金利政策―デンマークの場合―

デンマーク国立銀行(中央銀行)は通貨クローネの急騰を防ぐためにマイナス金利を2012年7月に導入しました。

結果、すぐに住宅ローン金利が急低下し、住宅ブームとなりました。

一部金融機関では「マイナス金利」※1の住宅ローンが登場し、住宅価格が急上昇しました。

 

※1実際には顧客は銀行などに手数料を支払うので、実際にはマイナス金利分は手数料の割引に充てられます、また、マイナス金利の適用を受けられるのは、高収入の顧客の3%弱とのこと。


マイナス成長だった経済が、2014年には1%台前半の成長をするまでに経済が回復しました。

 

2015年でも住宅ブームは続いており、政府は住宅ブームの過熱を抑える為、
住宅価格の5%以上を頭金として顧客に求める規制を行いました。

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デンマークの例をみると、マイナス金利政策は、住宅ローン金利の低下と不動産価格の上昇さらには、GDPをプラス成長へ押し上げる効果があるように思えます。 日銀が目標としているインフレダーゲット2%に対しても有効な手段である気がします。

 

しかし、デンマークと日本の違いを認識する必要があります。

 

まず、人口は日本1億2000万人に対して、デンマーク560万人、日本はデンマークの約21倍です、

GDPは日本の46,020億ドルに対して、デンマーク3,423億ドル、日本がデンマークの約13倍です。

 

さらに住宅ローンに関しては、
日本は借入期間 最長35年で、毎月元金返済が必要となるのが通常だと思います。

 

しかし、デンマークにおいて住宅ローンは定めらた期間は金利のみの支払だけでよい住宅ローンであるインタレスト・オンリー(IO)※2が約60%を占めていることです。

 

IOは金利のみの支払だけでよいので、収入に対して購入が困難な人でも住宅を購入しやすくしているようです。

 

金利のみの期間が過ぎて、返済が難しくなった場合でも、住宅価格が購入時より上昇していれば、売却して借入額を返済できます。うまく行けば売却益が残る可能性もある。
ちょっと(かなり)投機的な一面もあります。



IOは逆に返済が難しくなった場合に、住宅価格が購入時より下降していた場合には、返済できない事態も充分に考えられます。

 

※2 基本、満期まで毎月の返済は利息分だけ、満期になれば元本を全額一活にて返済する。
利息だけの返済は最初の3~10年だけで、その後は利息と元金を返済する方法もあります。

繰り上げ返済をこまめにして、早く住宅ローンを返済する日本とは考え方がずいぶん異なっています、

 

ですので、今後、デンマークと同じマイナス金利政策を始める日本がデンマークと同じように、不動産価格が上昇して、さらに
GDPがプラス成長へ上昇していくかどうかは、注意深く見守っていく必要がありそうです。

 

※記事の内容は、記事作成日時点における情報により作成されているため、今後の経済情勢により異なる事象が発生する場合もございます。あらかじめご了承ください。
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